【結晶塗装】ヒートガンとダンボールでOK!絶対に失敗しないコツを伝授
モデルパーツ:ジェネレーターカバー
【難易度】中級(塗装に関する知識が必要です)
【作業時間】1~2時間
【予算】3000円~(工具抜き)
きょうすけです(@kyosuke400)
突然ですが「結晶塗料」というものをご存知でしょうか。その名の通り、結晶化し硬化する特殊な塗料です。
その見た目からチヂミ塗装と称されたり、リンクル/放熱縮塗装とも呼ばれています。
またエンジンノイズの低減にも効果があり、スポーツカーのエンジンカバーなどに採用されています。
王道のカーカスタムのひとつです。
個人での施工は、その塗装面から難しそうに感じますが、一般的な塗装作業と大きく変わりません。
「焼付乾燥」が必要不可欠ですが、事前に知識を持っていれば一般家庭でも問題なく施工できます。
ココでは、結晶塗装の焼付乾燥までしっかり解説させていただきます。
実体験を元に、失敗しないポイントもご紹介。
目次
使用する道具
結晶塗料 | スプレーガンで使用する原液タイプ。 単体使用できるスプレー缶でもOK |
---|---|
ヒートガン | 焼付乾燥に必要 |
温度計 | 焼付乾燥の温度管理に必要 |
焼付用ブース | ダンボールを使用 |
1-1 結晶塗料
スプレーガンで使用する原液タイプ、単体で使えるスプレー缶の2タイプございます。
今回は原液タイプを使用しますが、施工手順は変わらないため安心してください。
塗料は「CARVEK(カーベック)」さんのモノを使用します。
【HP】カーベック 結晶塗装
1-2 ヒートガン
Anesty ヒートガン 熱風2モート 無段階調温可能 ホットガン 1500w 50-600℃ ホットエアガン 多用途 アタッ...
焼付乾燥に必要です。安いもので2000円ほどで購入できます。
120℃まで上げないといけませんので、家庭用ドライヤーでは厳しいんではないかと。
1-3 温度計
120℃で20分間の乾燥が必要なうえ、温度が上がりすぎてしまうのを防ぐためにも温度管理は必須です。
1-4 焼付用ブース
焼付乾燥で必要となります。手軽なところだと、一斗缶やダンボールが使用できますが、高温となるため扱いに注意してください(使用する場合、自己責任となります。)
専用の焼付乾燥機「CV-Junior」も出ています。クオリティーを重視したいのであれば用意しましょう。
事前準備
2-1 塗る物の下処理
今回は、バイクのクランクケースカバーを塗ります。
塗装は剥離し、研磨シートなどで足付け、古いガスケットなども今のうちに剥がしておきます。
また、塗装したくない部分にはマスキングをしておきましょう。
私は足付け、プラサフ、ミッチャクロンで下処理しました。
2-2 焼付用ブースの準備
自身で作成される方は、事前に準備しておくと塗装後が楽です。できる限り小さく作った方が、温度上昇に期待が持てます。
私はダンボールを使用します(火災に注意)
失敗しないコツ
実体験を元に、特に気を付けていただきたいポイントをまとめました。
成功させる為にも、必ず目を通していただきたいです。
3-1 下処理はしっかりと
「塗装は、8割が下地で決まる」と耳にしますが、その通りです。
足付けが不十分だと塗料は乗ってくれません。
また、ボルトが当たる場所はマスキングをしておいた方が無難です。結局剥がれてしまいます。
見た目もよくありせんし、他の部分を巻き込んで剥がしてしまう可能性もあります。
私もしておけば良かったです。
3-2 塗膜は厚く、数回に分けて丁寧に
結晶塗装は、ある程度の塗膜がないとチヂミ模様が発生いたしません。
チヂミ模様は、塗膜表面が引っ張られることで模様となります。
薄すぎると、引っ張ってくることができず失敗してしまいます。ですが一度に多く塗ってしまうと、タレてしまう原因となります。
そのため一度に厚く塗らず、中乾燥を挟み3回以上に分けて塗ることが成功させるポイントです。中乾燥を挟むことで、中に残ったシンナーを抜くことができます。
ちなみに、塗装の厚みによって模様も変わります。
3-3 焼付ブースへの移動方法を考えておく
焼付ブースの事前準備はもちろん、移動の方法も考えておきましょう。
結晶塗料はベタベタします。塗った後に塗装面に触れると高確率でハゲます。
塗装に使用した台座ごと、焼付ブースへ入れることが理想です。
3-4 防護はしっかりと
結晶塗料はベタつきが強いので、髪の毛や顔などに付着するとなかなか落ちません。
口や目の中への侵入を防ぐためにも、防護はしっかりと行いましょう。
スプレーガンを使用する方は、詰まりやすいので気を付けてください。
ノズル口径は1.3~2.0が推奨となっております。
作業工程
先述の通り、一度に厚く塗らず、中乾燥を挟み3回以上に分けて塗ることが成功させるポイントです。
4-1 最初は捨て吹き
先ずは全体に捨て吹きし、塗料の弾きなどがないか最終確認します。
4-2 数回に分け、塗膜を厚くしていく
塗りづらい場所を優先に吹き、一回の塗は控え目に
大体3回に分け吹きかけたモノがこちら
スプレーガンだとイイ厚さを出せますね。この面積であれば200mlで十分でした。
4-3 自然乾燥させる
この10分ほど自然乾燥を挟みました。この乾燥時間でも模様に変化がでます。
焼付乾燥を直ぐに行った場合は模様が強くなり、時間を置くと細かくなります。
4-4 焼付乾燥を行う
ヒートガンで室内を120℃に保ち、20分乾燥させます。高温にし過ぎるとダンボールが引火しますので、必ず目を離さないようにしましょう。
また、焼付乾燥 完了直後は塗装面が柔らかいので、1~2日置いて完全硬化させてから組み付けましょう。
今回使用したヒートガンは、安全の観点から連続使用時間が5分でしたので数回に分けて行いました。果たしてうまくできたのでしょうか。
DIYで結晶塗装をしてみた結果
見事に大成功!
ヒートガンの連続使用時間という盲点はありましたが、うまくチヂミ模様が再現できております。塗料が届きにくい細かいところまでしっかり塗れています。
アップで見てみると、本当に面白い模様です。周りの評判も良く、やってよかったと思います。
今回はスプレーガンを使用しましたが、需要が多ければスプレー缶での施工も記事にさせていただきたいと思います。
是非、皆様もお試しあれ。
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