エンジンオイルの性能はココでみる!オイルの規格について解説
エンジンオイルを購入するとき「性能が分かりづらい」と大半の方が思ったことがあると思います。
確かに、使用しているベースオイル、添加剤の種類がわかればある程度わかるかもしれません。
しかしそれでは詳しい人しかわからない上に、そもそも企業秘密で殆ど公表されていません。
ではどうしたら性能がわかるのか?
他にも要素はありますが、今回は「規格」に注目してみましょう。
オイルを販売する上でも通さないといけない規格、またはオイルの特徴を指す規格とあります。規格がわかれば、今よりはオイル選びが楽になるかもしれません。
ここでは「オイルの規格」について解説させていただきます。
規格
エンジンオイルは主に2種類の規格が使用されています。どちらもオイル選びでは必要な知識になるので確認しましょう。
JASO規格
クラッチ摩擦特性(滑らないか)を評価している。
API規格などの条件をを満たしたオイルの中から試験を行い、「MA,MA1,MA2またはMB」の4グレードに分類されている。このグレードは容器に表示することができます。
指定がある場合は厳守する必要があります。
JASO T903は二輪車用4サイクルエンジンオイルの規格であり、以下のような背景から「二輪車用であること、オイルの特性を明確」にする必要があったことから制定されました。
現在の二輪車の多くは「湿式多板クラッチ」を採用しており、エンジンとトランスミッション、クラッチを共に潤滑保護している。
対する四輪車は別々に潤滑されおり、オイルは省燃費性を求め、低摩擦性、低粘度にする傾向にある。現に四輪車用オイルを使用すると、クラッチが滑ったり、低粘度ゆえの耐久性不足が懸念される。
※このことは同ページ内の、エンジンオイルの特性「クラッチ摩擦作用、極圧作用」を参照してください
MA規格
MA2 | MAの摩擦特性の範囲で、粘度を高めにしたもの |
MA1 | MAの摩擦特性の範囲内で、粘度を低めにしたもの |
MA | 高い摩擦特性、せん断安定性を持っており、MT車に使用される |
MA2>MA1>MAと性能順で見られがちだが、必ずしも上位互換であるとは限らない。上記の様に、MAを基準に粘度が変わっているので使い分ける必要があります。
MB規格の特徴
MB | 摩擦特性が低く、主にスクーター、空冷車に使用される |
スクーターに使われるイメージが強い専用ではない。あくまでクラッチ摩擦作用が低いだけであり、ヤマハXJR400Rのような空冷車の一部では推奨されていることもある。
API/ILSAC規格
アメリカ石油協会が定めた、エンジンオイルの性能規格。
酸化安定性、サビ・腐食・磨耗防止性、洗浄性、蒸発性、せん断安定性など多くの審査項目から査定しグレードが分類されています。
ガソリン車は「S」を先頭に、後ろのアルファベットが進むに連れ高性能とされている。現在ではSA~SHは廃止となっています。
日米の自動車工業会が制定しているもので、省燃費性能を試験している。
API規格SH以上のものが対象、試験をクリアしたオイルに付与されています。
API規格
SJ | 1996年型以降の車に適応。SHの性能を向上。さらに蒸発性、せん断安定性に優れる。 |
SL | 2001年度制定。SJに比べ、省燃費性の向上(CO2の削減)・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)・オイル劣化防止性能の向上(廃油の削減・自然保護)があげられる。 |
SM | 2004年制定。SLに比べ、浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐磨耗性に優れている。 |
SN | 2010年制定。SMに比べて、省燃費性能の持続性のさらなる向上や触媒保護性能を強化。 |
SN P | 2018年制定。SNをLSPI対応させたもの(直噴エンジンで起きるスーパーノッキング防止) |
SP | 2020年制定。SNに比べて、LSPI対応、タイミングチェーンの摩耗低減性能向上省燃費性能の持続性のさらなる向上や触媒保護性能を強化。 |
※参照:JAF(http://qa.jaf.or.jp/mechanism/engine/09.htm)
※SA~SHは廃止となっているため省略(SH以前はJAFを参照)
ILSAC規格
GF-1 | SH規格と同等 |
GF-2 | SJ規格と同等 |
GF-3 | SL規格と同等 |
GF-4 | SM規格と同等 |
GF-5 | SN規格と同等 |
GF-6 | SP規格と同等 |
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