【徹底解説!】正しいエンジンオイルの選び方、厳選オススメオイル4選もご紹介

オイル選び_サムネイル

エンジンオイルを買うとき、たくさんの種類があり悩んだ経験はありませんか?

ベースオイル、粘度、規格、専門用語や類似しているものが多く選びにくいですよね。
しかし、ポイントを押さえてしまえば簡単

大切なのは「バイクと自分に合ったオイルを選ぶこと」
愛車の寿命はオイルで決まるといっても過言ではありません。

基本的なオイルの選び方や基礎知識、使用シーン別のオススメオイルまで、
エンジンオイルの選び方を徹底解説いたします。


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オイルはエンジンを守るカナメ

オイル役割

オイルの役割は、消耗部品の中でもトップクラスに重要です。
まずは、エンジンオイルがどういった仕事をしているのかご説明いたします。

エンジンオイルの役割

潤滑作用 上下、回転運動する部分の動きを滑らかにし、摩擦や摩耗を減らす
密封作用 燃焼する際の圧力が外に漏れないように、金属のすきまを密閉する
清浄作用 スス、スラッジなどの汚れを、エンジン内に付着し続けることを防ぎます
防錆作用 燃焼ガスから発生する酸を中和し、サビや腐食を防ぐ
応力分散 金属同士がぶつかるときのクッションの役割
冷却作用 燃焼や摩擦の熱を吸収し、焼き付きを防ぐ
クラッチ摩擦 湿式クラッチ特有。クラッチプレートを滑りにくくする役割
極圧作用 2輪車特有。ギアにかかる高負荷に耐え、摩耗から保護する役割

エンジンオイルの役割はズバリ、「エンジンの保護・潤滑」です。
エンジンがスムーズに動くように潤滑を、壊れないように熱やサビから守ってくれています。

結論、オイルが入っていないエンジンは”必ず”壊れます。それくらい重要なのがオイルです。

エンジンオイルの役割はこちら

オイルの性能はピンキリ

オイル割合

エンジンオイルは、元となる「ベースオイル」と、性格付けに使われる「添加剤」を混ぜて作られています。
配合は約7:3~9:1と様々。また、使用されているベースオイルや添加剤も種類がありメーカーにより異なります。

使われてるベースオイルや粘度が同じでも、その種類、割合、添加剤により性能は異なります。
これが選択を難しくしているポイントです。

材料や配分などの記載があれば分かりやすくなると思いますが、企業秘密事項なのでしょう。

ベースオイルについてはこちら

適切な交換目安は?

交換サイクル

オイルは熱や水分により劣化します。劣化したオイルは性能低下を引き起こし、エンジンの故障へ繋がります。
劣化したオイルを使用するのを避けるためにも「定期的な交換」が必要です。

オイルの交換目安
基本サイクル
3000~5000km毎、または6か月毎
シビアコンディション
3000km毎、または6か月毎
シビアコンディションの例
チョイ乗り 高速走行が多い
二人乗りや登板が多い 空冷のビッグバイク

※シビアコンディションとは?
一般的な使用条件よりも厳しい使用条件のこと。

シビアコンディション下では、劣化が促進させてしまうため早めに交換をいたしましょう。

エンジンオイルの交換目安、劣化する要因についてはこちら

〈基本編〉エンジンオイルの選び方

    ◆ オイルを選ぶうえで”必ず”守る2点

  • 二輪車用か確認すること
  • 二輪車に四輪車用のオイルは使用できません。役割が違うためです。

  • 純正指定のオイルを確認すること
  • 指定オイルと大きく異なるものを選択すると、エンジンが壊れます。
    A型の人へ、B型の血液が輸血ができないのと同じです。

これらを踏まえた上で、
基本編では「バイクを安全に走行できればイイ方」向けにご説明いたします。

純正指定が間違いない

純正指定オイル

エンジンオイルは選択を間違えるとエンジンの故障へ繋がります。
そのため、メーカーの「指定(推奨)オイル」が存在します。

説明書やサービスマニュアルに、記載されていますので確認してみてください。

上記の画像は、Ninja400の説明書に記載されている推奨オイルです

1. 商品名「Kawasaki R4 SJ」粘度: 10W-40, JASO規格: MA
2. 商品名「Kawasaki S4 SG」粘度: 10W-40, JASO規格: MA
3. API規格 [SG,SH,SJ,SL,SM] 内どれか、そのうえでJASO規格 [MA,MA1,MA2] 内どれか、そして粘度が [10W-40] であること

上記の3点が、メーカーの推奨オイルです。

1と2は、カワサキが販売している純正オイルです。
3番は規格が絡んでくるので少し混乱しますが、全然難しくありません。下記で詳しく記載していますので確認してみてください。

“なんでもいい方”は純正指定オイルで間違いありません。

グレードを変える時は、この指定オイルを基準に考えていきます。

カワサキ 純正(KAWASAKI) エンジンオイル R4 SJ10W-40 4L缶

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簡単にグレードアップする方法

指定オイル_グレードアップ

指定オイルよりも、他オイルのほうが高性能なんてのはよくある話です。

指定オイルから下記の点を変更するだけで、より高性能なオイルが選べるかもしれません。

・ベースオイルの種類
・JASO規格
・API規格

あるいは高性能な純正オイルを選択してもいいです。

先ほどのカワサキで言えば、カワサキ用に開発した「Vent Vert(ヴァン ヴェール) 冴速 10W-40」があります。


純正オイルでありながら性能アップができます。まだ選ぶのに自信がない方はこういった選び方もアリです。


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〈応用編〉”自分に合った”オイルの選び方

乗り方に合ったオイルを

エンジンオイルの選び方(応用編)

・ベースオイル、規格、粘度を中心に絞っていく。
・オイルを選ぶときは、エンジンの温度が重要
・オイル特性として、高温になると柔らかくなり、油膜切れ(金属同士がジカにぶつかってしまう)などのリスクが出てきます。
・オイルは熱で劣化をします(劣化原因は他もあります)

応用編では、自分の走り方、使い方、車両にあった選び方をご紹介します。
※ベースは純正の指定(推奨)オイルになります。

趣味で楽しんでいる、バイクの性能をイイ状態に保ちたい方向けになります。

使用シーン・車両の特徴が大切

エンジンの温度がどのくらい上がるかを、把握することが大切です。

街乗りとサーキット走行では、エンジンの温度が大きく変わりますし、冬と夏でも変わります。
同じ車両でも、人により使用方法や環境は大きく異なります。

    ● 特に下記の例は、オイル選びをしっかり行いたいです。

  • 高出力のマシン
  • 特に大型バイクはエンジンが高温になりやすい。

  • 常用回転域が高い
  • サーキット、レースなど、高回転域を多用する場合。

  • 空冷車
  • 特に夏場、渋滞中は冷えにくい。

  • 旧車
  • 熱を持ちやすく、空冷であることも多い。

  • 真夏・真冬
  • 温まりやすく、冷えにくい(冬は逆)季節

ベースオイルの選び方

ベースオイルの選び方

オイルの構成比率の7~9割を占めているベースオイル。
ベースオイルの性能順は、合成油 > 部分合成油 > 鉱物油。価格も性能と正比例して上がっていきます。

    鉱物油よりも合成油が優秀な点

  • 低温流動性が良い
  • 低温でも柔らかく始動性に優れる

  • 蒸発性が低い
  • オイル消費が少なく、オイル不足によるトラブルのリスクが減る

  • 熱酸化安定性
  • 熱に強く劣化しにくい、初期性能を長期間維持できる

  • 温度粘度特性
  • 粘度指数が高いため添加剤の量を抑えることができる。
    ※添加剤は熱ダレしやすい

簡単に言うと、合成油は「初期性能が高く、長く性能維持ができる」
エンジンの性能を最大限引き出したいのであれば、合成油がオススメです。
※部分合成油は、合成油と鉱物油を混ぜて作っているものなのでピンキリ

実は、指定オイルの多くは「部分合成油」です。(指定オイルがあったら検索して確認してみてください)
ということは、「合成油」にして上げるだけで性能アップが見込めます。

逆に性能を下げることは悪手です。

※一部旧車においては、合成油(PAO,エステル系)では漏れてくる可能性があります。(シールへの攻撃性があるため。対策はされてきている)

ベースオイルについてはこちら

規格のこと

オイルの規格

エンジンオイルには、性能を示す「JASO」「API (ILSAC)」の2種類の規格が使用されています。
オイルの性能の全てはわかりませんが、大まかにわかるようになっています。

【JASO規格】表記方法:MA/MA1/MA2/MB

クラッチがどれだけ滑りにくいかを表しています。
性能評価に優劣はなく、使い分けが必要です。指定がある場合は厳守してください。

特に「MA1」「MB」規格には注意

MA1は、MAに比べ柔らかい(低粘度)ですが、熱に対して弱くなります。適合しているか確認しましょう。

MBは、オートマチック車である”スクーター向けのオイル”です。
湿式クラッチの車両に使用するとクラッチを滑らしてしまう特性があります。しかし、ヤマハXJR400Rのような空冷車の一部では推奨されていることもある。

※湿式クラッチ
クラッチがオイルに保護されている車両。現在のマニュアルバイクのほとんど。

【API規格】表記方法:SF/SG/SH/SJ/SL/SM/SN

オイルの性能を評価しており、右のアルファベットが進むほど高性能です。
基本的には性能を上げたければ、より上位の規格の方がイイでしょう。しかし指定がある場合は厳守してください。

オイルの規格についてはこちら

粘度の選び方

粘度の選び方

● SAE規格について

オイルの粘度は「10W-40」といったような表記方法で表されています。数値が高いほど粘度が上がります。
これはSAE規格による表記方法で、世界共通のもになります。

左側の「10W」は、”どのくらいの外気温で使用ができるか“を示しており、Wは”ウィンター(冬)”を意味しております。
この数値が小さいほど流動性が上がり、低い温度で使用ができ、エンジン始動性も向上します。
冬場はエンジンが温まりにくいので、粘度を下げることで燃費の向上にも期待ができます。

右側の「40」は高温時(100℃)での粘度を表しており、高いほど熱に強くなります。夏場など、熱を持ちやすい環境下においては上げることで対策します。

● 粘度について
基準になる粘度は「10W-40」です。

また特性として、粘度が上がると硬くなり、熱に対して強くなりますが、流動性が低下します。
逆に下がると柔らかくなり、流動性が上がりますが、熱に弱くなります。
この2つの特性は相反しています。

※流動性:モノが流れたり、動きやすさを表す概念。

実は、一番難しいのが粘度選びです。
極端に誤ったものを選択してしまうと、エンジン出力の低下や部品の損傷を招いてしまいます。

基本は指定粘度のママで大丈夫です。

しかし特定の条件下では、粘度変更をしたほうがいい場合もあります。
変更を加えるとしても、一番手以上変えない、むやみに下げないことが大切です。

  • 外気温が低いとき(冬場など)
  • 例)10W-40 → 5W-40
    粘度が下がるほど、低温での流動性が高くなります。そのため、始動直後からよく動いてくれます。

  • 常用回転域が高い場合(サーキットなど)
  • 例)10W-40 → 10W-50
    エンジンチューンされている(ボアアップなど)
    エンジンに負荷がかかりやすく、熱を持ちやすい状態です。

  • 空冷車
  • 例)10W-40 → 10W-50(夏場だけなど)
    渋滞が多い場合(特に夏場は注意)
    特に空冷車は走行風による冷却が重要です。渋滞に長時間はまるとエンジン内部の温度は即座に上昇していき、オイルでは保護しきれなくなります。

  • 旧車
  • 例)10W-40 → 10W-50
    エンジンのクリアランスが広く持たれている車両が多く、熱を持ちやすいです。空冷である車両が多いのも特徴ですね。

粘度についてはこちら


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厳選!オススメのオイル

色んなメーカーのオイルを試してきた私が、独断と偏見でオススメのエンジンオイルをご紹介させていただきます。
なお、シビアコンディションは非考慮、使用したことのあるもののみ、あくまで私感によるものとします。

高性能、低価格、コスパ最強の普段使いオイル


● カストロール「POWER1 RACING 4T」5W-40
● 全合成油

カストロール二輪車4サイクルエンジンオイルで最高峰、サーキット走行もできる全合成油で1,800円/1L

そして、ポイントは粘度にあります。実は「5W-40」にはメリットが多くあります。
・低温時でもスムーズにエンジンが回り、燃費の向上に期待ができる
・高温時での保護性能が10W-40よりもいい(ストライベック曲線により)
・始動性が高い

私は所持しているバイクには、ここ数年コレしか入れてません。
価格も安く、普段使いならコレ以上のものはなかなかないと思っています。
(あまり大きな声では言えませんが、同価格帯の大人気オイルより断然性能が高く、維持してくれます)

通勤にスクーターにオススメ


● カストロール「POWER1 SCOOTER 4T」10W-40
● 部分合成油

通勤の場合、月間走行距離が多く、交換頻度が高い傾向にあります。大切なのは定期的な交換です。(性能の低いオイルほど)
費用がかかる合成油を避けて、部分合成油にするのも手だと思います。(合成油に越したことはない)

こちらのオイルはMA規格ではありますが、シビアコンディションでの使用を考慮された、スクーター専用設計のオイルで1,500円/1L

交換頻度が高くても、せめて部分合成油に留めておきたいところです。
“安いオイルを高頻度で交換”は、オススメできません。

ちなみにビッグスクーターなどで常用回転域がそこまで高くない場合は、低温時に流動性が高い5W-40がオススメ。
中には10W-30指定のバイクもあるはずですので、ぜひ推奨粘度を確認してみてください。(特にホンダ)

圧倒的高性能!DUCATI指定の天然ガスを精製されたオイル

● シェルアドバンス「ウルトラ4T」10W-40
● 全合成油(GTL基油)

高出力、高負荷DUCATIの純正指定オイルです。
性能を評価するAPI規格は最上位のSN、JASO規格はSM2
1L 3,800円と高額ですが、エンジンをクリーンに保つ性能がとても高く、コンディションを長く維持できます。

特徴なのが、ベースオイル。
天然ガスから精製された「GTL基油」が使用されており、とにかく不純物が少ない。
不純物はオイルの劣化を促進させ、性能低下を引き起こします。そのため、オイルの性能維持能力がとても高いのです。

しかも、この製法の特許を持っているのはシェルのみ。
シェルにしか作れない圧倒的高性能なオイルです。

4耐レース優勝 長期間性能を維持、冬場でも使える10W-50


● パノリン「RACE」10W-50
● 全合成油(エステル100%)

エンジンが過酷な条件下で使われる4耐レース600㏄部門において、優勝車両に使用されているオイル。
10W-50でありながら5W感覚の柔らかさ、ベースオイルにはエステル100%使用なのでエンジンレスポンスも抜群(エステルは潤滑作用がある)

独自開発されたエステルベースでロングライフも実現(本来エステルは耐久性がない)
ぜひ一度お試しを!

オイルの保管方法

オイルの保管

「日光の当たらない暗所で、温度変化の少ない場所」が保存には適しています。
フタもしっかりと締め、外気に触れないようにしましょう。

保管期間はできれば1年、長くても2年。
温度変化などにより劣化してしまいますので、短いことに越したことはありません。

イイものを定期的に交換しよう

エンジンオイルに関する考え方は様々です。人によっては”入ってればいい”という方もいれば、私のように”最重要”と捉える方。

よく耳にする「安いのを、早いサイクルで交換する」
間違ってはいませんが、安いものを使用する上での”絶対条件に過ぎない”と思います。

エンジンのことを考えるのであれば良いオイルを、正しいサイクルで交換する

少しでも愛車の性能を引き出し、長く乗りたいのであれば、気を使うべきだと信じております。

エンジンオイルの詳細はこちら

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